2025.3.21

第9回 数理モデルデザイン研究会 (Society for Math for Design)

科学分野で説明対象の仕組み(デザイン、メカニズム)を明らかにすることは、観察データから具体的な数理モデルを同定することと関係が深い。また、社会の仕組みや、人々の行動の分析の背後には、暗黙のもしくは明示的な「数理モデル」の仮定が想定され、このようなモデルに基づきデザインがなされている。つまり、「数理モデル」は、現代のデザインにおいて重要な因子である。そこで、「数理モデル」を様々な角度から理解する「数理モデルデザイン研究会」を立ち上げます。

「科学と哲学の境界──圏論を巡って」

  • 講演者 

平松千尋(九州大学芸術工学研究院 未来共生デザイン部門)

古賀徹(九州大学芸術工学研究院 未来共生デザイン部門)

近年数学の基礎論としての圏論が様々な分野で注目を集めている。科学と哲学の近くて遠い関係をどのように考えるか、生物学の分野から平松千尋、哲学の分野から古賀徹が語ります。

お気軽にご参加ください。

日時

2025年4月2日(水) 16:00~17:30

場所

九州大学大橋キャンパスデザインコモン2階+オンライン(ZOOM)

*オンライン参加の場合は、こちらから登録をお願いします。

主催

九州大学芸術工学研究院 デザイン基礎学研究センター
九州大学芸術工学部 芸術工学科未来構想デザインコース

レビュー

日時:2025年4月2日火曜日 午後4ー6時
場所:デザインコモン2F
参加者:23名

九州大学にて「科学と哲学の境界──圏論を巡って」と題した研究会が開催されました。生物学・数学・哲学の観点から、色彩と言語の関係、自然変換の概念、ライプニッツのモナド論、意識の哲学的理解などが議論されました。


特に、他者の感覚や意識をどのように捉えうるかという問題に対し、圏論的な枠組みを用いたモデル化の可能性が示唆されました。また、意識の理論に関する近年の論争やその展望が紹介され、再現性の問題や科学の限界に対する哲学的アプローチの必要性についても議論されました。講演後の質疑応答では、トポロジーやモデル化に関する補足質問がなされ、分野横断的な議論の深化と、言論を介した知の統合に向けた関心が共有されました。科学と哲学、デザインとの対話を促す試みとして、今後の展開が期待されます。