古賀徹

(センター長)

九州大学大学院芸術工学研究院教授。専門は哲学。近現代の欧米圏の思想を中心に研究を進める。水俣病やハンセン病、環境破壊、全体主義、消費社会など、現実の諸課題に即して思考を続ける一方で、デザインの基礎論の構築を試みる。単著に『超越論的虚構 社会理論と現象学』(情況出版2001年)、『理性の暴力 日本社会の病理学』(青灯社、2014年)、『愛と貨幣の経済学 快楽の社交主義へ』(青灯社、2016年)、編著に『デザインに哲学は必要か』(武蔵野美術大学出版局、2019年)など。

増田展大

(副センター長)

九州大学大学院芸術工学研究院講師。専門は美学・芸術学、映像メディア・視覚文化論。とりわけ近代以降のテクノロジーと身体の関係を出発点として、映像メディアやアート・デザインについて感性論の立場から考察している。著書に『科学者の網膜 身体をめぐる映像技術論:1880-1910』(青弓社、2017)、『クリティカル・ワード メディア論』(共編著、フィルムアート社、2021)、翻訳にロージ・ブライドッティ『ポストヒューマン 新しい人文学に向けて』(共訳、フィルムアート社、2019)、トム・ガニング『映像が動きだすとき 写真・映画・アニメーションのアルケオロジー』(共訳、みすず書房、2021)など。

尾方義人

九州大学大学院芸術工学研究院教授。通信機器・家電・家具・計測機器・医療機器などのインダストリアルデザイン・プロダクトデザインの実践を行い、そこからデザイン実践のための概念と方法の構築を目指している。領域にとらわれないデザイン対象と分断されない「デザイン実践」と「デザイン理論」の構築に向け、デザインの過程や手法を循環する「カ・カタ・カタチ・カチ」としてとらえ、人間のための「モノ」のデザインを積み重ねることで、よりよいモノづくりを考える。このような工業デザインの教育・研究に基づき、未来構想デザイン・スペキュラティブデザイン・レジリエンスデザイン・デザイン方法史をあらたに進めている。

栗山斉

美術家、九州大学大学院芸術工学研究院准教授。作品制作を通じて「無」と「存在」の同等性について探求している。主な活動に「第54回ヴェネチアビエンナーレ collateral event Glasstress」ムラーノ島旧ガラス工場(ベニス、イタリア)、「What Dwells Inside」S12 Galleri og Verksted(ベルゲン、ノルウェー)などがある。http://hitoshikuriyama.com

結城円

九州大学大学院芸術工学研究院准教授。専門は写真史・写真論、イメージ学、比較文化論。2010年ドイツ・デュースブルク=エッセン大学芸術・デザイン学科写真史・写真論講座にて博士号取得。2011年から2013年までAlfried Krupp von Bohlen und Halbach財団「写真専門美 術館キュレータープログラム」キュレイトリアル・フェローとしてフォルクヴァング美術館、ミュンヘン市博物館、ドレスデン国立美術館、ゲッティ・リサーチ・インスティテュートに勤務。2013年から2016年までデュースブルク=エッセン大学芸術・芸術学学科講師。単著に、Ich-Fotografie: Kommunikationsformen der japanischen Fotografie seit den 1990er Jahren (2013, Kadmos Verlag)。

CHEN Ash

九州大学大学院芸術工学府未来共生デザインコース(古賀研究室)。中国美術学院上海設計学院(ShangHai Institute of Design China Academic of Art)プロダクトデザイン専攻卒業。現在、批判理論を中心に、デザインの存在論やデザインの倫理学などの領域を含む研究を行っている。大学卒業研究テーマは「ディスカッションの構築を中心のプロダクトデザイン」(《以构建讨论为核心的产品设计实践》、中国美術学院、2020)である。