2024.7.1
美学(感性論)の仕事が、自分と異なる人・もの・自然との協働から新たな感性を発見・言語化することだとすれば、そこでは協働の「場」が生まれています。こうした場、さらにはそのデザインについて、美学の立場から考えてみたいと思いま …
2024.2.1
科学技術が、ある国や社会の文化的アイデンティティを強化することがある。かつての日本の家電製品やアメリカの宇宙開発などが好例で、科学技術は成果が分かりやすくインパクトが大きいが、それゆえに愛国主義を助長するなどの負の側面も …
2023.9.20
子育てや教育の抜本的な改革が求められている。だが、行政と市民、学校と親の対立関係に収まるかぎり、子どもたちの居る空間は閉鎖していくばかりではないだろうか。写真家として出発し、街角の公園から保育園を開園するにいたった実践家 …
2023.5.10
「ダイバーシティ」や「サステナビリティ」を掲げて進められる都市再開発の中で、貧困層やホームレスの人たちの追い出しが起きている。だが、路上の人々のうちには、身体性に基づく細やかな助け合いの関係が様々に張り巡らされている。都 …
2022.12.9
デザインの達成目標としてウェル・ビーイングが言われて久しい。たんなる機能や利便性ではなく、存在そのものの〈よさ〉に焦点があてられるのはなぜだろう。近年注目されている「存在論的デザイン」の動向についてその基本的な考え方を紹 …
2022.8.28
急速に世界が変化する中で、デザインの取組みを社会にひらいていくことが求められている。本講演では、〈ともにデザインすること〉を単なる題目や方法論としてではなく、人々の多様性、人間と人間以外、複製と非複製など、さまざまな次元 …
2022.5.26
現代芸術の領域において、バイオアート/バイオデザインと呼ばれる表現は、作品の内に実験手続きを介入させることや、生きものを作品要素として機能させることから「デザイン」との接点をもつ。そのなかでも今回は、バイオをめぐる表現と …
2021.12.14
デザインは伝統的な東アジアの文化にとって異質な概念であり、モダンデザインは西洋文明の輸入とともに語られてきた。しかし、20世紀の東アジアに出現した職業デザイナーたちにとってデザインの受容は、西洋文明の一方的な移植だけでな …
2021.11.30
デザインは、あらかじめ規定される目的や条件の構造から逃れられないように思われるだろう。つまりその構造の中にあることでこそデザインの真価や秩序が示されるのではないか。いや、そうではない。あらゆる構造から逸脱し、むしろ逸脱こ …
持続可能性のためのデザインは、人間が基本的に必要とするものを自覚し直すことから始まる。チリの経済学者、マックス゠ニーフが示唆するように、人間のニーズは普遍的で限られたものである。南アフリカの先住民族への参与観察をもとに、 …