2024.7.1
美学(感性論)の仕事が、自分と異なる人・もの・自然との協働から新たな感性を発見・言語化することだとすれば、そこでは協働の「場」が生まれています。こうした場、さらにはそのデザインについて、美学の立場から考えてみたいと思いま …
2023.5.10
「ダイバーシティ」や「サステナビリティ」を掲げて進められる都市再開発の中で、貧困層やホームレスの人たちの追い出しが起きている。だが、路上の人々のうちには、身体性に基づく細やかな助け合いの関係が様々に張り巡らされている。都 …
2022.12.9
デザインの達成目標としてウェル・ビーイングが言われて久しい。たんなる機能や利便性ではなく、存在そのものの〈よさ〉に焦点があてられるのはなぜだろう。近年注目されている「存在論的デザイン」の動向についてその基本的な考え方を紹 …
2022.8.28
急速に世界が変化する中で、デザインの取組みを社会にひらいていくことが求められている。本講演では、〈ともにデザインすること〉を単なる題目や方法論としてではなく、人々の多様性、人間と人間以外、複製と非複製など、さまざまな次元 …
2022.5.26
現代芸術の領域において、バイオアート/バイオデザインと呼ばれる表現は、作品の内に実験手続きを介入させることや、生きものを作品要素として機能させることから「デザイン」との接点をもつ。そのなかでも今回は、バイオをめぐる表現と …
2021.12.14
デザインは伝統的な東アジアの文化にとって異質な概念であり、モダンデザインは西洋文明の輸入とともに語られてきた。しかし、20世紀の東アジアに出現した職業デザイナーたちにとってデザインの受容は、西洋文明の一方的な移植だけでな …
2021.11.30
デザインは、あらかじめ規定される目的や条件の構造から逃れられないように思われるだろう。つまりその構造の中にあることでこそデザインの真価や秩序が示されるのではないか。いや、そうではない。あらゆる構造から逸脱し、むしろ逸脱こ …
持続可能性のためのデザインは、人間が基本的に必要とするものを自覚し直すことから始まる。チリの経済学者、マックス゠ニーフが示唆するように、人間のニーズは普遍的で限られたものである。南アフリカの先住民族への参与観察をもとに、 …
2021.3.18
誰でも50分のお手伝いで一食無料券がもらえる。壁にはその無料券が貼られ、それを使えば誰でも食事ができる。「誰かの役に立ちたい」、困ったときでも「温かいご飯を食べて欲しい」。だが渦巻く “善意” は …
2021.3.4
自身の置かれている立場や状況によって、この世界の様相はまるで別物のようにみえます。貧困、労働、女性蔑視などが生み出す社会的排除…。私たちの社会が様々な問題を孕んでいることは自明ですが、一体どれだけのリアリティをもってそれ …