ビジョンデザイン
Vision Design
1957年、通商産業省「グッドデザイン商品選定制度」として生まれたグッドデザイン賞は、当初その対象を工業製品のみに限っていた。というのも、日本製品の高性能・高品質化と模倣性のない商品開発の振興が大きな目的であったからであ …
批判理論
Critical Theory
デザインとは、人間の生活や社会をよくするものだと考えられている。しかしながら、地球環境問題や格差の拡大、資本主義と消費、人間性の荒廃というグローバルな問題に照らしてみると、むしろデザインはよいものを提供すると称しながら、 …
フォーディズム
fordism
工業化にともなって機械化がさらに進展した結果、自然の破壊や人間性の疎外、社会的格差の拡大など様々な負の影響が生じた。これに対して、工業製品や生産の機械化を極限まで推し進めることによって、これらの問題を解消する体系化のデザ …
複製技術論
Reproduction Technology
工業的な技術的複製物としてのデザインは、一つの孤立したオブジェクトとして不変で固有の意味をもつのではなく、つねにその周囲にあるモノやひと、それをとりまくコトとの関係の中でそのつどはじめて意味を持ち、したがってそれらとの関 …
付属美
dependent beauty / pulchritude adhaerens
性能は良いのだがデザインがよくないといったように、製品の実用性を機能と呼び、その美的側面をデザインと呼ぶ語法はいまだ健在である。その語法が用いられるときには、製品の美は実用的な機能に対するいわば装飾・付加価値として理解さ …
文化相対主義
cultural relativism
デザインの営為の中心的役割は、一から新しく何かを生み出すというよりは、これまでにあるものを様々に組み合わせ、調整、加工することにより、新しい経済的、社会的、象徴的価値を生み出すことにある。とすればデザインは、より多様な価 …
ヘパイストス
Hephaestus
古代ギリシャにおいて、ひいては西洋文化全般において職人や工芸の地位は低かった。機械的な技術はつねに人文的な教養に比して第二級のものとされ、それが「専門」であるという理由で近代にいたってもなお、神学・哲学・法学を中心とした …
ポイエーシス
制作とは、特定の実用目的を実現するために何かを作り上げるという手段としての機械的なあり方にとどまらず、制作者や使用者の心身の発達過程に深くかかわる有機的なものでもある。人々は、制作に携わることで、自らの心身の潜在能力を同 …
(ポスト)人間中心主義のデザイン
(Post) Human-centered Design
人間が全体としてよく生きるために技術を用いることをデザインの人間中心主義と呼ぶとすれば、その起源は古代ギリシャの哲学にまで遡る。『ニコマコス倫理学』のアリストテレスによれば、職人たちはたんに物を作る能力を持つにすぎず、そ …
メディア論
Media Theory
メディアという言葉を新聞やテレビ、インターネットなど、いわゆる情報伝達のための手段として捉える限りでは、それとデザインとの関係は部分的なものでしかないように思われるかもしれない。しかしながら、この言葉を旧来の情報媒体とし …
厄介な問題
wicked problems
デザインは、問題の原因に直接に作用する直線的な技術というよりは、その技術が当初の目的を果たしうるように、状況全体に目を配り、技術が機能する文脈を整えたり、人間とその技術の関係を改善したりする全体的な思慮により深く関係して …
リサーチ・スルー・デザイン
デザインの知とは机上や実験室ではなく、実際に手や身体や知能を働かせる工房の実践をつうじて獲得されたり創造されたりするものである。当時ロンドン王立美術大学の学長であったクリストファー・フレイリングは、自然科学や人文科学とは …
ロシア・アヴァンギャルド
Russian Avant-garte
ロシア・アヴァンギャルドは、1910年代から1930年代初頭にかけてロシアに台頭した諸芸術運動の総称であり、文学、演劇、美術、音楽、建築、映画、デザインなど多岐にわたる活動を展開した。その中でも特記すべきなのは、カジミー …